ホテルスタッフが仕込む本物の味噌

By | 12月 31st, 2016|Categories: いちやを支える生産者さん|

昔ながらの製法でつくられた本物のお味噌 那須いちやホテルでは野菜を中心に地域の食材をご提供しておりますが、夕食のバーニャカウダなどで野菜の引き立て役としてお出ししているのがお味噌です。このお味噌は、那須町黒田原で100年ほど続いている『こうじや天然味噌 日野屋』さんでつくられたこだわりの逸品。原料は安心できる国産の大豆、塩、糀(こうじ)のみで保存料や添加物など、余計なものは一切入れずに昔ながらの製法で作られた本来のお味噌。野菜との相性抜群のこのお味噌をいちやスタッフが日野屋さんにお伺いして仕込むことになりました。 今回仕込むのは北海道産大豆60kgと栃木産黒大豆30kgを使った2種類のお味噌。いちやからは社長を筆頭に、料理長、おもてなしマネージャーで野菜ソムリエの磯、若手スタッフの荒木の4名が参加です。対応していただいたのは日野屋店主の江部芳明さん。家業を継ぐ3代目でこの道43年。昔ながらの製法をまもり、本物の味噌をつくり続ける気さくでエネルギッシュな糀&味噌職人。   作業場にお邪魔して先ず感じたのは大豆のやさしい香り。巨大な鍋から湯気が立ち上っています。ひと晩水につけた大豆を3時間ほど煮込む工程を前もって準備してくれていました。また、作業場には使い込まれて年季の入った道具や熟成用の大きな味噌樽が並んでいます。非日常のちょっとしたワクワク感を感じながら手を洗って早速作業開始です。 炊かれた大豆を鍋からすくってザルにあけ、専用の器械で大豆をすりつぶすします。ひき肉を作る機械と同じような物だそうで、漏斗のようになった上部から大豆を入れると下から細切れのパスタのような状態で出てきます。   「うちは糀屋」 日野屋の心臓部は糀をつくる室(むろ)。江部さんは「味噌のデキは糀で決まる」といいます。精米したお米はもちろん、全国でも珍しいという玄米からつくられた糀も自家製だそう。3日間ほどかけて作られる糀は温度管理をはじめ、すべての工程で気が抜けない長年の経験と熟練の技術を必要とする職人技によるもの。日野屋の味噌は手間を惜しまず時間をかけて作ったこの糀があるからこそ出来る味噌なのです。 「減塩味噌は味噌じゃない」 「味噌はそもそも保存食。塩を少なくするから余計な保存料や添加物が必要になる。」と江部さんは語ります。確かに塩はたっぷり。60kgの大豆に対して塩は8.5kgを使います。でもこの分量が入っているから本来の味噌になる。昔ながらの正しい味噌にはたくさんの塩を使います。 大きな桶に大豆と糀と塩を入れたら大豆の煮汁で水分を調整しながら材料を混ぜ合わせます。スコップでざっくり混ぜた後、手作業でまんべんなく混ぜ合わせる。実際に材料の中に手を入れると、茹でた大豆の熱がまだ残っているので温かい。   共同でやる素手の作業はなぜか盛り上がります。「そこまだ全然混ざってない」とか「携帯鳴ってるけどこの手じゃとれない」なんてワイワイやっている所に煮たままの大豆を投入。味噌になっても大粒の大豆が残って、見た目や食感なども楽しめる。手作りならではの遊び心。 完成!でも食べごろは10ヶ月先 手作業で混ぜ合わせることしばし。全体が均一に混ざったら発酵熟成用の容器に詰めます。もうほとんど見た目には味噌のような状態。江部さんに落し蓋と蓋をしてもらって、日付とスタッフのサインを記入する。はじめての味噌づくりに心地よい達成感があるけれど、味噌になるのはまだしばらく先。ゆっくり時間をかけて熟成し食べごろになるのは10ヶ月後くらいだそう。 ちょっと味見 「こっちにどうぞ」と案内されたのは作業場の隅にある味噌の熟成保管場所。「うちは自然の状態で保管するから夏は40度近くなるし冬はかなり寒くなる。でもうちの味噌はそれでOKなの。」と江部さん。「これちょっと食べてみて」とヘラで取ってくれたのはその日野屋方式で熟成保管され、今回仕込んだ黒大豆と同じ味噌。もうそろそろ食べごろになっているものだそう。ひとつまみ味見してみると確かにおいしい。しっかり塩味それを上廻る旨味。所々にある大豆のつぶつぶ感もアクセント。今日の作業で感情移入しちゃってる分を差し引いても美味しい・・・。「これ夏のきゅうりにつけて食べたら最高でしょ・・・。」とひと言こぼれる。   自分たちで仕込んだ味噌をお客様に提供できる日が待ち遠しい。でも、昔ながらの製法だからパッと出来たりしません。どうしたって来年の10月くらいですが、食べごろになったら、薄井料理長がこのお味噌を使ったスペシャルメニューを考案する予定です。どうぞご期待ください。 味噌づくり体験できます 日野屋さんでは日頃から一般の方にも味噌仕込みを実施されています。遠方からのお客さんも含めてたくさんの方が体験をされていて仕込んだお味噌は持ち帰りもできますし、熟成するまで保管もしてくれます。30kg単位の仕込みになるので個人ではちょっと多いですが、数名のグループやお裾分け様に作ってみてはいかがでしょうか。出来上がったお味噌を購入するよりもお安く、しかも自分たちで作った本物のお味噌を味わうことができるので、イベント感覚で楽しんだり、食を考えるお子様向けの食育としても最適です。詳しくは日野屋さんにお問い合わせ下さい。 こうじや天然味噌 日野屋 営業時間 7:00~18:30 年中無休 住  所 栃木県那須郡 那須町寺子丙3-89 電  話 0287-72-0342 日野屋さんはJR黒田原駅からほど近く、大谷石と漆喰の白壁がきれいな外観、入り口を入った土間に商品が並ぶ小さなお店。味噌の他にも醤油・納豆・チーズなどの発酵食品、漬け物・焼き餅なども販売しています。試食しながら、お店のこだわりや味噌作りのお話を交えてつくり手の思いを伝える接客方法にもこだわる。ここでしか買えない『体にやさしくて美味しいもの』がきっと見つかるはずです。 [...]